コミュニティデザイン学科Department of Community Design

[最優秀賞]
手嶋穂|防災訓練のカスタマイズツールの作成 ~災害の振り返り×住民の対話~
静岡県出身
丸山傑ゼミ
1700mm×2960mm×9000mm 大判、天板、パネル

住民同士の対話から災害を想像し、防災訓練を創造するためのツールを開発。防災訓練カスタマイズを使用することで、「どのような経験をしてきたのか」「それを改善向上させせるためには何が必要なのか」「次具体的に何をするのか」が可視化され記録される。また、ガイド動画やサイトを作成したことで地域内での継続と、他市町村への展開のためのデザインも行なった。今後は、研究対象地での継続と、他市町村への展開を実現させる。

丸山 傑 専任講師 評
地域住民が災害の経験をふりかえり、次の防災訓練を創造するための、話し合いのツールと仕組みのデザインである。地域の防災力を高めるには、コミュニティの共助が重要だと言われる。しかし、本来共助につながるはずの防災訓練が年中行事となり、形骸化している地域も多い。このプロジェクトは、防災訓練に欠けている「ふりかえり」と「創造」のプロセスを導入することで、コミュニティの災害対応力の向上につなげるものである。特に優れている点は、デザイナーが地域から去った後にも、ツールと仕組みが自走するよう丁寧なプロセスデザインが施されていることだ。実際このツールは、研究対象地域である戸沢村の行政に引き継がれることが決定し、村内15名の防災士がその使い方を学んだ上で各地域で活用される予定である。防災への強い問題意識に始まり、リサーチからデザイン、社会実装に至るまで粘り強くプロジェクトを進めてきた総合力を高く評価したい。