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Oil Painting

描く力が次代を担う

私たちの幸せの形や社会が抱える問題に対する答えは一つでしょうか?世界では様々な局面で大きな変化が訪れています。答えが多様で不透明な時代においては、一人一人の幸せや理想とする未来への想像力と、常
に問題意識を持ち、枠にとらわれない創造力が必要です。進化するテクノロジーも、二つの想像力?創造力なくしては扱えません。洋画コースでは、絵画を中心に多様なメディアに触れ、世界を観察する眼差しと独創性を育む表現方法を学びます。変化を楽しみ、既存の価値観を疑いアップデートしていく力は、洋画コースが信じるアートの力です。幸せのものさしを自分で決める時代だからこそ、想像し表現できる人が輝けるのです。


Feature

特徴

多彩で凝縮したカリキュラム

4年間の中で最大限成長できるよう、濃密なカリキュラムが組まれています。さまざまな表現や技法に触れることで得られる柔軟な思考や技術は、既存の枠にとらわれない表現を生み出すための糧となっています。

教員の手厚いサポート

作家でもある教授陣が指導。研究室で制作する教員も多く、教員と学生の距離の近さも魅力です。一人一人に合わせた指導により、自身のテーマを見つける際にも方向を見失うことなく制作に取り組めます。

自主性を育む取り組み

他学科?コースとの連携や、地域との協働プロジェクトにより身に付く幅広い視野と価値観。美術で身に付けた力の生かし方を、早い段階から社会の中で意識することで、自主性を高めていきます。

Curriculum

授業紹介

絵画を中心に古典技法からデジタル表現、SDGsに向けた社会におけるアートの可能性を模索するなど、多様なカリキュラムが組まれています。教員の手厚い指導により自身のテーマを見つけ、既成の枠にとらわれない柔軟な思考や表現を学んでいきます。また、東北を舞台にした地域や企業連携によって、自立した将来形成に向け意欲を高められる機会が得られます。美術で身に付けた力の活かし方を意識することは、これからの社会で求められる力を育みます。

カリキュラム

1年次

観察を通して基礎力を育む

「観察」をキーワードに基礎固めをしていきます。「観察」といってもその対象はさまざま。描く対象の形態や存在感はもとより、その場や取り巻く空気感も観察の対象となります。また、後期の人体3部作では、作品を制作していく上での造形的な基礎の総まとめを行い、思考力や想像力についてもを深めていきます。そのほか、制作に取り組む姿勢の基礎、粘り強く取り組む姿勢、諦めない力も育んでいきます。

静物油彩(洋画基礎演習)/グループになって静物を組み、基礎的な造形性に注視した油彩画を制作します。光の方向性やモノの色味、質感を捉えながら描くことで、粘り強く観察する眼差しを養います。また、後期の人体3部作では特別講師の淺井裕介先生によるワークショプ「野生の無呼吸ドローイング」を開催し、描くことの身体的根本に迫ります。

  〈 講義 〉 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期

洋画概論

  • 美術基礎演習/発想
  • 洋画基礎演習1/人体油彩?静物油彩
  • 美術基礎演習/デッサン、彫塑

コンピュータ基礎演習

後期
  • 洋画入門
  • 芸術鑑賞の喜び
  • 洋画基礎演習2?3
    /人体油彩?人体ドローイング?思考型ワークショップ(無呼吸ドローイング)
 

2年次

造形表現の幅を広げる

他コースの技法素材にも触れ、造形表現の幅を広げて行きます。油彩では、1年次の基礎をベースに絵画表現への意識を段階的に高めていきます。洋画コースの選択演習では、美術科共通演習 (横断型授業) と共に、3DCG、2D、スクリーンプリント、古典技法を学び、発想を可視化するためのさまざまな表現方法に触れ制作します。そのほか、進級制作を通して、アートと社会のつながりを学びます。展覧会を企画?開催?運営し、その裏側を実践し理解を深めていきます。 

フレスコ?テンペラ演習(洋画演習2)/古典技法を習得することで、素材や技法、制作プロセスの重要さを学びます。また、選択授業の2D、3DCD、スクリーンプリントなどのメディアアートと共に、新たな技法意識へと飛躍し、表現方法を探っていきます。

  〈 講義 〉 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • キャリア形成論
  • 現代美術史
  • 洋画演習1/油彩(コラージュから絵画へ)
  • 版画コースとの合同選択授業
    /立体から版画へ?2D?3DCG?スクリーンプリント より1つ選択
  • 美術科共通演習A?B
    /日本画?洋画?版画?総合美術 より2つ選択
 
後期
  • 素材学
  • クリエイティブ経済論
  • 洋画演習2?3
    /古典技法(テンペラ?フレスコ演習)、
    立体から絵画へ、映像と絵画(進級制作)
  • 美術と実践力1?2/展覧会の企画運営

3年次

自己の世界観を確立する

より自己の世界観を確立してゆくため、さまざまな表現アプローチを実践します。これまで培ってきた技術や知識に揺さぶりをかける演習や、表現のあり方を問い直す授業など、自身の核を探る制作を行っていきます。人気授業の一つ「100点ドローイング」では、限界を超える枚数を自由にドローイングすることで、自らの深層に迫り、新たな自己の発見と個々の制作の根幹に触れるきっかけとなっていきます。大作制作は、卒業制作に向けた助走作品となり、学生主導の展覧会も行います。

100点ドローイング(洋画演習5)/限界を超えた枚数を自由にドローイングすることで、自身の深層を探り表現を広げます。ドローイング元に制作した作品は、「私を形づくもの?こと」や「UPCYClE企業連携」、3年集大成となる「大作展」など、今後につなげる表現を発見します。

  〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 洋画演習4/金箔演習?プロジェクト演習
  • 洋画演習5/細密画?抽象化へのアプローチ
    ?100点ドローイング(アーティストブック)
  • アーティストマネジメント
  • キャリアマネジメント
    /美術を社会で生かす知識
後期
  • 洋画演習6/「私」を「形づくる」もの?こと(ミニ個展)、
    UPCYCLE企業連携演習
  • 洋画演習7/大作制作、大作展
  • ポートフォリオ研究
  • ポートフォリオ作成
    /自己の編集

4年次

作品の自立を目指す

これまで養ってきた技術?知識?経験の集大成として大作に挑みます。
200号を超える大作から、インスタレーション作品、映像作品、ミクストメディアの立体作品、アニメーションなど洋画の枠にとらわれない、発想豊かな作品が生み出されます。ユニークな作品が豊富に表出する理由は、積みかねてきた各課題による確かな造形力と思考力の結果です。

卒業制作/これまでに習得した確かな造形力や感性を最大限に発揮して、密度のある完成度の高い作品を制作。社会的な事象や歴史?文化?自然科学など、さまざまな視点に基づいて豊かな発想を作品に落とし込みます。

? 〈 演習 〉 〈 実践 〉
前期
  • 洋画演習8
    /プレ?卒業研究(ゼミ制)、プレ卒展
  • TUAD Incubation Program(TIP)
    /アーティスト育成プログラム
後期
  • 卒業制作(洋画)/卒業制作(ゼミ制)

活動 Pick Up!


鮭川村きのこジオラマ制作|地域連携プロジェクト

「きのこ王国」鮭川村の観光PRのために、洋画?彫刻コースで協働して7mの巨大ジオラマを設置しました。学生たちでアイデアを練り、半年かけて制作。大きな話題を呼んで人気スポットとなっています。

街とアート(のれんデザイン)|地域連携プロジェクト

福島県棚倉町の商店街に「小京都棚倉」をテーマにのれんを制作。生涯学習課、商工会、商店街組合との連携をはじめ、フィールドワークを通して町民からの題材提供をベースに制作を行いました。


アフガニスタン支援企画|他学科との合同プロジェクト

アフガニスタン出土の仏頭を中心とした企画展示と関連イベント(仏頭デッサン会、講演会、企画ランチ等)を通して、アフガニスタンの文化について理解を深めました。会期中に行った募金活動はアフガニスタンの食糧?学校支援に活用されました。

サステナビリティとアート|UPCYCLE

(株)新潟三越伊勢丹コーデイネートで、(株)ハードオフ協力のもとSDGsをテーマに廃品を素材としたアート作品を制作。完成作品は、本学と新潟伊勢丹で展示しました。


Career

進路

取得可能な資格

卒業時取得可能資格

小学校教諭一種免許状、中学校教諭一種免許状(美術)、高等学校教諭一種免許(美術)、学芸員
※指定の科目を受講することで取得できます。

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Professor

教員紹介

細川貴司 准教授

Hosokawa Takashi
油彩

先行きが不透明な状況にあり、今の時代をどう捉えるかは人それぞれ。変化とは、旧体制が壊れ新しい時代が幕を開けることなのかもしれません。
未来は膨大な情報処理が可能になり、テクノロジーが発達するAI革命の時代と言われます。時代と共に変化し、社会を反映する宿命を持つのがアートです。洋画コースでは、さまざまな絵画技法や多様な表現を通してアート思考を学びます。その根本には描くことでしか見えない何かを探り、見えないものを見えるようにする表現力を培います。絵画技術と感性を磨き、多様な表現力を携える洋画の学びは、厳しい社会をサバイブし新時代を切り開くことのできる真の感性や知性、タフさを育てることに他ならないのです。
AIの時代だからこそ身体感覚を鋭くアンテナを張り、感性や思考の絵画技術を武器に自らを常にアップデートしていこう。

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